GETS・研究会に役立つヒント

2015-16年度GETSと研究会を準備・開催する時期となりました。皆さまの中には、研修者としてこれらの会合に出席される方が多く、地域リーダーとしての役割を初めて正式に紹介される方もおられるかと存じます。

この度は、研修を成功させるための秘訣を、Floyd Lanciaさん(RRFC)、Jessie Harmanさん(RC)、Leticia Parra Toledoさん(RPIC)よりご紹介いただきました。以下をご覧ください。

準備

Lancia ぶっつけ本番では効果的な進行はできません。リーダーズガイドなどの研修資料を入念に確認し、研修内容を熟知しておくことが重要です。研修資料の重要箇所に印を付け、自分用にメモを記入しておくことをお勧めします。研修中に尋ねる質問も事前に準備し、自分の言葉で、分かりやすく表現することが大切です。

Harman 成人学習の特徴を理解しておくこと。成人学習者は、自分の経験や実生活に関連させて考え、参加者同士で意見交換することを望む傾向があります。また、参加者によって学習スタイルが異なるため、事例研究、少人数または全体での話し合い、ロールプレイ(役割演技)など多様な研修方法を取り入れ、考える時間も十分に取れるよう調整する必要があります。

Parra 私は、GETS開催の数カ月前に地区リーダーと連絡を取り、地域リーダーとしての役割を含めて自己紹介します。その際、公共イメージ向上を担当するゾーンチームも紹介し、どのような支援ができるかを説明します。また、「地区を成功に導くリーダーシップ:ガバナー編」の内容も、ガバナーエレクトと一緒に確認するようにしています。

Letty-blog

Leticia Parra Toledoさん(RPIC)

進行

Lancia 進行役の役割は、出された意見に賛成・反対することではなく、参加者同士の意見交換や話し合いを促すことです。不明瞭な点がある場合も同様に、参加者同士で情報を補足してもらうようにします。発言の機会を独占してしまう人がいる場合は、全員が話し合いに参加できるように調整してください。研修目的から話題が逸れないように注意し、セッションの最後に要点を確認したり、行動計画を立てたりすることも大切です。

Harman ガバナーエレクトに尋ねる質問を入念に準備しておくことで、話し合いを促進し、斬新なアイデアを引きだせるでしょう。進行を工夫すれば、一人ひとりの意見を尊重しつつ、全体の調和を生みだし、参加者同士の協調を促すことができます。また、進行役は、話し合いの内容を広げたり、視点を変えたり、結論を導くための質問も準備しておくとよいでしょう。

Parra 話し合いの内容が研修目的から逸れないように気をつけます。セッションの説明をする際は、参加者が自分との関連性を見出せるように話し、重要ポイントを繰り返し強調します。ガバナーエレクトには、各地区でどのような取り組みが可能となるか具体的な回答をお願いします。参加者とは柔らかな物腰で接し、アイコンタクトを取るようにします。参加者は、笑顔で語りかけられ、自分の意見が歓迎されていると感じることができれば、さらに積極的に参加するようになるでしょう。

8月の会員増強・新クラブ結成推進月間にちなんで

2014-15年度には、コーディネーターの皆さまの懸命な活動、そして会員からのご支援のおかげで、25,000人近い会員増を達成したのみならず、アフリカにおける野生型ポリオウイルスの1年間発症ゼロなど、数々の大きな成果を残すことができました。引き続きのご支援の下、今後も多くの入会者をロータリーに迎え入れ、現会員による積極的な参加を促していけることを願っております。以下にその方法をいくつかご紹介します。

Membership Month image - blog 2

  • ロータリーの各種ソーシャルメディア、「ザ・ロータリアン」誌と「ロータリーの友」誌、orgには、会員増強に関する記事や情報が掲載されています。これらの記事や情報をクラブと地区にご紹介ください。
  • My ROTARYオンラインショップで、入会や参加の推進に役立つ資料をダウンロードまたは注文できます。資料の多くは、ロータリー・ワークグループからもダウンロード可能です。
  • 皆さまがロータリークラブに入会した理由やロータリーを続けている理由を、会員増強担当部までぜひお寄せください(Facebookにコメントまたはminute@rotary.orgまで Eメールで)。入会への関心を高める最も有効な方法は、会員が自分の経験を語ることです。

会員増強・新クラブ結成推進月間中に入会や現会員参加の促進戦略を実施した方は、以下にコメントしてぜひお知らせください。

変化の推進者の役割は

*この記事は前回に続くパート2です。パート1はこちらからご覧いただけます

執筆:コレット・マーティン・ワイルド(国際ロータリー、戦略開発&変革担当チーム)
補足説明:パム・ラッセル(第26ゾーンRRFC)

  1. リソース:質問や資料の問い合わせ先を知らせる。

パム・ラッセル: 地区によって方法はさまざまです。既に財団補助金に詳しい人、または研修を受けた人を集めて支援チームを作り、各チームメンバーがいくつかのクラブを担当している地区もあります。このチームは、クラブの補助金活動の立案や、複数クラブによる大型補助金での協力を助けます。チームの代わりに、ガバナー補佐がこの役割を担う場合もあります。活動数が多い場合は、補助金専門の担当者を決めるのもよいでしょう。

  1. 実行計画:実行計画では、ビジョンを実現させる(つまり、変化を上手く実現させる)ために必要な研修、インセンティブ、伝えるべき要点、リソース、担当者を明確に決める。

パム・ラッセル: 財団の補助金モデル変更に伴って、慎重な計画立案とその実行が必要でした。第26ゾーンでは、新補助金の2年目にグローバル補助金の利用が大幅に増えました。計画の実行には時間がかかりましたが、ロータリアンが実施する奉仕プロジェクトに成果が表れています。補助金活動にはそれぞれのストーリーがあります。クラブと地区がそのストーリーを伝えれば、クラブ強化につながり、また多くの人にロータリーの活動を知ってもらえるでしょう。

以上5つの要素をご紹介しましたが、いずれかの要素が欠けると次のような結果が予想されます。

  • 混乱
  • 不安
  • ゆっくりとした変化
  • 不満
  • 誤ったスタート

今後、新しい変化を取り入れる際は、上記の5要素を取り入れることで、新しいプログラム/手続きをもっと効果的に導入できるはずです。中にはそれほどあらたまった対応を必要としない変化もあるかもしれませんが、未来への前進にあたり、これらの情報が参考となることを願っております。

変化の推進者の役割は

*変化推進に関するこの記事は2部構成になっています。パート2は来週掲載されます。

執筆:コレット・マーティン・ワイルド(国際ロータリー、戦略開発&変化担当チーム)
補足説明:パム・ラッセル(第26ゾーンRRFC)

現代社会は目まぐるしく変化しています。変化は避けることができず、中には対応が難しい変化もありますが、ロータリーもそうした変化に対応していかなければなりません。

変化の推進者の役割は、ビジョンを明確に説明すること、情報とリソースを提供すること、計画を立てること、人びとの声に耳を傾けることです。地域リーダーである皆さまは、変化の推進者となることが頻繁にあるでしょう。推進者の役割を担うことになったら、まずは何に取りかかるべきでしょうか?

ここでご紹介する枠組みは、変化への抵抗が予想される場合や、人びとがスムーズに変化に対応できるように支援する場合に役立ちます。

新しいプログラムや手続きを導入する際は、次の5要素を考慮しましょう。

  1. ビジョン:変更後の新しいプログラムや手続きはどのようなものか?

パム・ラッセル: 地区リーダーがビジョンを明確に定義し、あらゆる場面でそれをしっかり説明することが重要です。会長エレクト研修セミナー(PETS)、地区研修・協議会、補助金管理セミナー、地区ロータリー財団セミナー、地区ガバナーの公式訪問など、さまざまな説明の機会があります。ロータリアンがビジョンを理解すれば、それを念頭において補助金活動を計画したり、クラブの戦略計画を立てられます。

  1. スキル:変化の導入を担当する人は、そのためのスキルを備えているか?備えていない場合、必要なスキルをどう身につけられるか?

パム・ラッセル:財団の補助金モデルが変わった際、第26ゾーンではさまざまなロータリアンに協力してもらいました。地区を対象に複数の研修会を行い、試験地区のロータリー財団委員長には未来の夢移行コーディネーターとして地区リーダーのスキル向上を助けてもらいました。

移行を成功させるには、継続性のある計画が不可欠です。どんなに入念にチームの研修を行っても、誰かが急に辞任した場合に備えておく必要があります。実際に、任期満了前に役職を離れなければならなくなった人が何名かいました。この場合、新リーダーの研修は個別に行うことになります。多くはロータリー財団地域コーディネーター(RRFC)、近隣地区の地区財団委員長、地区内のほかのリーダーが支援を提供してくれます。

  1. インセンティブ:具体的なメリットがわかれば、人はもっと早く変化に適応するもの。「各自にどんなメリットがあるか」を明確に説明する。

パム・ラッセル: グローバル補助金と地区補助金を利用したロータリアンは、ロータリー財団を通じて活動する利点をよく理解しています。こうした利点をほかのロータリアンにも説明することが大切です。第5170地区のロータリアンは毎年、グローバル補助金の受益者を地元に招待しています。招かれた人たちは地区内のクラブを訪問し、地区大会にも出席します。活動の恩恵を受けた人から直接話を聞くと、財団に対するロータリアンの理解も変わってくるものです。
来週は、この記事のパート2をご紹介します。
****

ロータリーブランド: 地域に合った推進を

今月号の「ロータリーリーダー」の「専門家に聞く」のコーナーで、RPICであるクリスティーナ・ブレディンさんが、「ロータリー活性化」の北欧での取り組みを紹介しています。皆さまのゾーンでは、地域に沿ったロータリー活性化(ブランド強化)の取り組みをどのように行っていますか?この取り組みの周知やブランド推進の効果的な例をご存知の方はおられますか?


第15ゾーンのロータリー公共イメージコーディネーター(RPIC)である、クリスティーナ・ブレディンさんは、マーケティングとコミュニケーションの専門家です。スウェーデンのロータリークラブ会員である、ブレディンさんは、ロータリーのビジュアルアイデンティティとボイスの採用を北欧の地区とクラブで推進しています。以下はブレディンさんのお話しです。

「一滴ずつ滴る水も、いずれは岩を砕く」ということわざがありますが、北欧でロータリーのビジュアルアイデンティティとボイスを推進する活動も、そのような取り組みでした。すべての地区とクラブと頻繁に連絡を取り、この変化が必要となった経緯を十分に説明することで、採用を促す必要があったのです」

Bredin

「北欧では、この取り組みの主旨は、閉ざされた目に付かない存在から、開放された目に付く存在へと、ロータリーに対する見方を変えていくことにありました。新世代の人たちは、ロータリーについてもって知ってもらうことに躊躇しませんが、ロータリーのロゴがついたシャツ、ジャケット、ベストなどを身に付けたり、ロータリアン以外の人たちにもメッセージを送ることがいかに大切かを、長年のロータリアンにも知っていただく必要があったのです」

「スウェーデンでは、スウェーデン語のウェブサイトを一新しました。ロータリーで起こっている変革について、全国の会員に一斉に伝えるべきだと感じていたからです」

「ロータリーのブランドリソースセンターを利用すれば、クラブや地区に新しいデザインを採用してもらいやすくなります。地区によっては、地区広報委員長がブランドリソースセンターを利用して、全クラブのロゴを作成した地区もあります。こうすることで、地区内のすべてのクラブロゴが一貫性のあるものになりました。近いうちに、すべてスウェーデン語に翻訳された、スウェーデン版ブランドリソースセンターを立ち上げる予定です」

「襟ピンのデザインは従来と変わらないことをはっきりと伝えて以来、ビジュアルアイデンティティとボイスに対するロータリー会員の反応は、とても好意的です。コミュニケーションの大切さを示す良い例だと思います」

以下のアイデアもご検討ください。

啓蒙と研修

地区で定期的に広報セミナーを開く

すべての地区行事で、ロータリーのビジュアルアイデンティティとボイスを採り上げる

ガバナー月信に、ビジュアルアイデンティティとボイスに関する記事を含める

会員に対し、心に残るロータリー体験(ロータリーモーメント)の研修を行う

.連絡

国際ロータリーから提供されている日本語の資料を活用する

高い費用をかけずに多くの人たちとコミュニケートするために、ウェビナーを実施する

ニュースレターや月信は、要点を手短にとらえたものとする

フェイスブックなどのソーシャルメディアを頻繁に活用する

.協力

地域の各クラブの代表者からなる広報チームを編成し、行事、イベント、広報活動を協同で行う

アイデア交換や資料共有のためのグループをつくる

広報を専門とするロータリアンに参加してもらう