参加者を引き込むウェビナー:5つのコツ

PeaceSymposium国際ロータリー、研修テクノロジー担当部 アダム・アレンツ

発表者が一方的に情報を伝え、聞き手はただそれを聞くだけの会議。どなたでも経験があることでしょう。。

ウェビナーは、発表者と出席者が容易に知識、見解、経験を紹介し合える場をつくるという点で優れた会議形式です。ただし、そのような双方向のコミュニケーションを成功させるには、進行役や発表者が従来の会議進行の方法から離れ、出席者にもっと有意義なかたちで参加してもらうよう働きかけなければなりません。

地域リーダーのブログには、ウェビナーの準備方法や、より充実したウェビナーの企画方法に関する記事が掲載されていますので、ぜひお読みください。

ここで、参加者を引き込むウェビナーのコツをいくつかご紹介します。

  1. 参加者にウェビナー中の段取りを事前に説明する:参加者が発言の段取りををよく分かっていればいるほど、やり取りの多いウェビナーになります。例えば、参加者からの音声をその人が発言する直前までミュート(消音)にしておくのであれば、ウェビナー開始時にそう伝えておきましょう。そして、参加者がの少し前に音声のスイッチを入れることを伝えてあげれば、その人は自分が使用しているマイクなどの準備を整え、これから言う意見や質問を分かりやすくまとめる時間ができます。
  2. ウェビナー開始を待っている時間を活用し、参加者に何かしてもらう:参加者が時間を有効に活用でき、ウェビナーがさらに充実したものとなるよう、ウェビナーのウェブサイトにログインしてから、ウェビナーが実際に始まるまでの間に参加者にしてもらうことを決めておきましょう。例えば、ウェビナーの主題に関して「いままで直面した困難を一つ挙げてください」と参加者に問いかけ、ウェビナー用ソフトウェアのチャット機能を使って各自の回答を送信してもらいます。その回答から、ウェビナー中どのトピックに一番時間を費やすべきかを判断できます。このように出席者にしてほしいことのリストをウェビナー開始待ちのページに表示しておけば、参加者が退屈しないだけでなく、ウェビナーがより充実したものになります。
  3. ウェビナー開始後、早いうちから参加者による発言を促す:参加者が自分の経験を基にして答えられるような実のある質問を、開始後すぐに投げかけることで、場が活気付き、参加者が討論に積極的に参加する雰囲気ができます。
  4. ウェビナー最後まで待たずに質問できるようにする:ウェビナー中に何度か、参加者から質問や感想を求めましょう。こうすることで、参加者が自分たちの意見が尊重されていることを認識でき、さらに活発なやり取りが生まれます。
  5. 参加者の希望、経験、関心事に基づき、発表内容を調整する:時折、挙手や感想を求めたり、参加者を指名して質問し、その結果によってその後の発表内容や進行を調整することで、より活気があり、参加者にとって意義のあるウェビナーとなります。

参加者とのやり取りを活発にし、参加度の関心を維持するために、ほかに何かいいアイデアがありましたら、ぜひご紹介ください。

懇請を成功に導く開拓

あなたは、寄付をお願いするための研修を受け、最初の寄付見込者と連絡を取る準備ができました。相手のことをよく調べ、いよいよ電話をかける段階になったとき、もう少し考えを煮詰める必要があると感じたため、電話を延期しました。しかし、数時間のつもりが数日となり、やがて数カ月が経過してしまいました。「自分は何を待っているのか」と、あなたは自らに問いました。

このような経験は、誰にでも身に覚えのあることですが、しっかりと準備を行えば、大口寄付の懇請はお願いする側にとっても貴重な経験となります。

ファンドレイジングは、「特定 → 開拓 → 懇請 → 資金管理」の4つのステップで行うものですが、多くのファンドレイジング初心者が、第3ステップの「懇請」から始めるというミスを犯してしまいます。懇請者は、大口寄付と年次寄付では何をもって成功とするか、その違いを知っておく必要があります。

年次寄付では、寄付者が寄付を行えば、それが成功と考えられます。一方、大口寄付では、寄付見込者のご家族や母校、あるいは関心があるロータリープロジェクトといった個人的な情報を得ることが成果として考えられ、このような「開拓」作業が大口寄付の懇請におけるカギとなります。開拓には、綿密に練られた質問を見込者に尋ねたり、見込者が実現したいと考えていることに配慮したりして、相手の情報を得る努力が欠かせません。コーヒーに誘うことが最初の一歩となることもあります。

性急に多額の寄付をお願いするよりも先に、寄付見込者が抱いているロータリーへの特別な思い、過去に慈善寄付を行ったときの理由、ロータリーや職業での活動歴や個人的なこと、社会で貢献したいと感じていることなど、相手について知ることから始めましょう。

寄付見込者との最初の面会では、自分の話より、相手の話に耳を傾けてください。可能であれば、ロータリーにおける共通の関心・熱意を基に話をしてもよいでしょう。寄付見込者についての情報を十分に得ることができたら、大口寄付担当職員と協力して、一人ひとりの見込者に応じて、個別の開拓プランを立てることができます。大口寄付のファンドレイジングを行う人の役割とは、面会や電話などによる見込者との連絡を重ねることを通じて、ロータリーを中心とした関係性を築くことです。

見込者とのコミュニケーションを通じて情報収集を続けるうちに、相手が熱意を傾けているロータリーの活動や、お願いに適した寄付額が徐々に分かってきます。そのときこそ、寄付をお願いすべきタイミングです。そろそろ懇請を行う時期だと感じたら、次のヒントにご留意ください。

  • 相手への敬意と賞賛を示す: 例えば、過去におけるロータリーでの奉仕に対して賛辞を述べることができるでしょう。
  • ロータリーに対する誇りを強調する: 例えば、世界中で行われているロータリーの重要な活動に関して、相手が関心を抱いていることに共感を示します。
  • 「寄付」のお願いではなく、「寄付を検討すること」をお願いする: 「寄付してください」という切り口で、対話を始めるべきではありません。
  • 寄付額を明確に伝える
  • 重点分野や基金など、寄付の指定先を明確に伝える
  • あせらずに相手の返答をじっと待つ

以下は、大口寄付の懇請で避けるべき点です。

  • 話しすぎ
  • 冷淡で相手への配慮が感じられない話し方
  • 「すべき」や「したほうがよい」といった表現
  • 謝るような話し方や、当惑したような話し方
  • アイコンタクトの欠如
  • 性急なお願い
  • 寄付をお願いしてから、相手の返事を待たずに話し出すこと

綿密に開拓を行い、見込者の背景情報や慈善目標を把握すれば、相手の目標に適した寄付方法を勧めることができます。魅力的な寄付方法を示せば、相手も快く寄付してくれるでしょう。開拓に力を入れ、自然で効果的な懇請方法を見つけましょう。

日本の関連情報: 日本ファンドレイジング協会「善意の資金」10兆円時代の実現を目指して

ロータリー財団大口寄付担当職員

ジェナ・アーチュリタ(Jenna Archuleta)

ロータリーの国際性:ステファニー・アーチックさんのご紹介

Urchick米国ペンシルベニア州西部出身のステファニー・アーチックさんは、高等教育・大学運営の分野でキャリアを重ね、ロータリアン歴は23年。現在は、Canonsburg Houston Southpointeロータリークラブに所属しています。今回のインタビューでは、ロータリー入会に至った経緯、自分がインタビューしてみたい著名人について伺いました。

子どもの頃から、自分はペンシルベニアを離れると思っていたそうですね。実際は現在もペンシルベニア在住でいらっしゃいますが、その理由は?

国務省や政府情報機関で働くのが夢でした。海外の開発援助に強い関心があり、国際関係を専攻して大学を卒業しました。各省への就職活動をしているときに、たままた地元で仕事を見つけ、それ以来ずっとここにいます。

最初はロータリーのどんなところに興味を持ちましたか?

1991年に、ある知り合い(女性)に誘われて、ミーティングに出席しました。ロータリーへの女性入会が認められてまだ数年の頃でしたから、ロータリーに対してよくある固定概念以外に、特に何も期待していませんでした。ロータリーとは何かと尋ねると、彼女はとても素晴しい説明をしてくれました。ロータリーは地元と海外の両方で社会貢献活動をするクラブだと。またロータリーが行ってきた活動についても教えてくれました。個人的には、ロータリーの国際性に惹かれて入会し、今でもそれがロータリーで活動を続ける理由の一つです。

ロータリーの国際性を実際に経験したのは、研究グループ交換を通じて二人の若い女性のホームステイを受入れたときのことです。長い時間おしゃべりをして、お互いの類似点や相違点を学びました。ロータリーに入っていなかったら、果たして彼女たちのような人と出会う機会はあっただろうか、と考えました。その後の経験を通じても、こうした経験ができたのはロータリーだからこそと実感しています。

2012-14年度ロータリー財団管理委員として、いつも財団への寄付を奨励してこられたと思います。慈善寄付にロータリー財団を選んでもらうよう、どのように説得していますか。

寄付をして、そこから自分も何かを得られるのはロータリーが唯一の団体だと、いつも話しています。寄付者が寄付したお金はクラブに還元され、クラブがこの資金を活用して、プロジェクトを実施し、世界中の人びとを助けています。

それはまさに、ロータリーのユニークな点ですね。奉仕プロジェクトといえば、アーチックさんがこれまで参加したプロジェクトの中で一番のお気に入りは?

私のクラブがポーランドの南東部で実施した母子の健康プロジェクトでしょう。ポーランドのクラブと共同でマッチング・グラントを申請し、病院にマンモグラフィー装置と生体検査の機材を設置しました。ドイツのシーメンス社とも協力したおかげで、機器や機材を寄贈してもらい、職員の研修も実施できました。プロジェクトが実施された当時(2000年)、ポーランドでは乳がんの早期発見に必要な機材が普及しておらず、診断が手遅れとなって多くの女性が命を落としていました。機材が導入されてから、毎年5,000件のマンモグラム検査が実施されています。この検査でどれほど多くの命が救われたか、想像できますか?後に実施されたロータリー友情交換チームの一員として式典に参加したときは、あのプロジェクトが多くの女性の命や生活に大きな変化をもたらしていることを目の当たりにし、とても特別な思いでした。

人びとを助けたストーリーはいつ聞いても素晴しいものです。さて、アーチックさんが世界の誰かをインタビューするとしたら、誰を選びますか?

音楽バンドU2のボノさんをインタビューしたいですね。彼に2つ質問があります。1つ目は、著名人として世界問題の解決に取り組むようになった理由。2つ目は、一般の人びとが世界のために活動する際のアドバイスは何か。私も、世界をもっとよい場所にしたいと願う一般人の一人ですから、ボノさんの意見に興味があります。

ロータリーで何か一つ変えられるとしたら、何を変えたいと思いますか?

例会費を抑えて、もっと多くの人が楽しんで参加できるようにしたいですね。ロータリー国際大会のような大きな会合を通じて、たくさんのいいアイデアや協力関係が生まれます。しかし、数ある会合の中からどれに出席すべきか選ぶのは難しいものです。出席したくても全部は無理、という人もいるでしょう。

最後に、2015年地域リーダー研修セミナーの財団モデレーターとして、研修で一番期待していることは何ですか?

今回から、1年目の地域リーダーだけを対象として研修が行われます。新任のリーダーたちは新鮮なアイデアとエネルギーをもたらしてくれるでしょう。それがほかのリーダーにもよい影響をもたらすことを期待しています。

地域リーダーグループは、ロータリーの取り組みにおいて重要な役割を果たします。皆が「キルト」を織りなすように、一人で活動するよりも協力して多くを達成できることを願っています。